KITCHEN キッチン@シアターコクーン
2005/04/12、19、22、24◇シアターコクーン◇勝村さん!勝村さん観に来てたよ!!(興奮)
作 アーノルド・ウェスカー
改訳 小田島雄志
演出 蜷川幸雄
美術 中越司
照明 原田保
音響 井上正弘
舞台監督 芳谷研
出演者:
成宮寛貴
勝地涼
高橋洋
須賀貴匡
長谷川博己
杉田かおる
品川徹
大石継太
鴻上尚史
津嘉山正種 他
NINAGAWA VS コクーンの第二弾。
成宮君、蜷川舞台に再挑戦の巻〜。
結局ですね、、、、、、、、4回観てしまいました。(^-^;;;;なんででしょ(笑)
今回、コクーンは対面式舞台。真ん中に本物の厨房がどーんとセットになっている。
一回目、舞台側最前列の端っこ。前過ぎて見えません〜。セットがじゃまで芝居が見えません。近くの人は見えるのですが、大事な芝居ははるか向こうで繰り広げられております。
二回目、同じ席。観るポイントがしぼれている分一回目よりは見えなけどより良く理解出来た感じ。
三回目、二回観てこれは絶対に、正面の客席側の席で観なくては!と思い、急遽チケット入手して行って参りました。正解!!これはこっちから観なくちゃ絶対駄目だ。
四回目、千秋楽で、一回目、二回目の席のより上の方の席。結果的には正面も観ていたせいもあるけど、この席が一番良かった。
四回観て思ったのはこの舞台は、客席すら舞台であったという事。舞台側席で主人公たちの演技が繰り広げられるわけですが、正面から観ると、ちゃんと客席も舞台装置のような様だったのです。これは、もしかして舞台側からだけを観て「おもしろくない」と評価したならば、ちょっと違うかも〜!!と叫びたい。とにかく、そういうところまで計算された舞台だったのです。あと相変わらずのすごいスタッフ力!!照明すごい!新感線などもやっている原田保さん、白っぽかったり、ちょっと影落ちてたり、もう、、、とにかくとても豪華な絵作りになっておりました。
お話、イギリスのとあるレストランの厨房。お店で働く人たちが普通に出勤してきて、準備して、店が開いて、嵐のようなランチタイムがやって来て、午後休み、その後にディナータイムがやってくる。いろんな人種入り乱れる中、戦争の記憶も新しい時代の労働者階級の若者のどうにもならないイライラが、いろんな事で爆発しちゃう主人公、そんなんで出演者33人!な群像劇である。
一回目、最初料理、本当に作ってるかと思った。ものすごくリアル。でもよくみると本物の水はあるけど、ほんとはマイム。それに感心してたら話に置いてけぼりをくらってしまった。戦場のような厨房の中で「仕事しながら」と「自分(キャラ)」を表現するのがこの芝居のおもしろいところなんじゃないかと思うんだけど、ただ台詞を言っているだけの役者もいるし、大御所はさすがにうまかったけれども綺麗系の男の子たちはまだ「表現」まで行き着いていなかった。私の大好きな洋くんでさえ、いまいち。ようするに、主役をはじめキャラが立ってないのが少し物足りない。そんな印象を受けた。あとイギリスの労働者階級のもっとざらざらっとした埃くさい話なんじゃないのかなって思んだけど、そのあたりがまだまだ全然綺麗すぎて、中盤のポールがみんなに夢を語らせる部分が全く生きてなかったなあって思うの。せつなくなんないんだもん。料理のマイムでいっぱいいっぱいだったんかなあ。
二回目、全然違う!!キャラが出来ている。一回目の成宮君はただのやんちゃな男の子に見えていたが、この日は完全にいっちゃっているお兄さん。いつ爆発するか分からない物を持っている彼である。あと台詞がものすごく計算されている事がよく分かった。二回目ともなると誰が何人で、というのが頭に入っているので、たとえば、ユダヤ人のバーサ(片瀬佐知子)がキプロス人のニコラス(鈴木豊)に「このユダヤ野郎」と言われているときに向こうの方にいる同じユダヤ人のポール(高橋洋)が怪訝そうな顔をしてたりとか、一回じゃ分からない情報量の多さがちょっとおもしろいかもと思ったのでした。
三回目、正面、でも端っこ。やっと全部観えた。ここから観ないで成宮君を評価してはいけないと思った。すごい顔してますわ。おかしくなっちゃってからの彼は、本人がなった事があるのか(^-^;;もしくは見た事があるのか、ぐらいなどっから息もれてるんですかってぐらい、すごい事になっていました。で、やっぱり前はおもしろい事いっぱいやってし。レーモンド(大石継太)が奥さん逃げちゃったポール(高橋洋)についつい、奥さんネタをしてしまって、コーヒー飲んでるのに後ろからいつもあやまって、コーヒーをこぼしてしまうというネタ(?)で、足でコーヒー拭いてたり、大石さんの台詞廻しや仕草がおもしろすぎるので、こっから見なかったら私的にはかなり悔しい事になっていました。良かったよお(^-^;。あと、ラスト近くの赤い照明の中のスローモーションの後ろでペーター(成宮寛貴)とモニック(杉田かおる)の演技が繰り広げられておりまする、、のシーン。やっぱり正面からの方が「絵」になっていた。舞台席からだと何がなんだか、、、想像力を働かせるしかない状態です。
あとここまで来るとお気に入りシーンが増えてきます。ポール(高橋洋)の激白&落ち込んで隅っこで泣くシーンは一回目からお気に入りですが、二回目以降、三回目になると何故か泣けて来るキプロス人たちのダンス。軽快でどこか懐かしい音楽に乗って踊るニコラス(鈴木豊)、ガストン(大川浩樹)、ディミトリ(須賀貴匡)とマンゴリス(月川勇気)。この人たちはギリシャ系キプロス人。後でキプロス人の事を調べてみたら、結構切ない歴史をお持ちで、その辺りの背景考えるとなんだか泣けてきてしまうのでした。
四回目、先程も書いた通り、一番良い席だった。舞台席というのは結構斜度があって、上に行くと舞台からも近い、しかも俯瞰で観れておいしいという事が良く分かりました。もうこの日は自分の中でも総まとめ。さようなら〜、ペーター、ハンス、ディミトリ、ニコラス、ポール、レイモンド〜もうこの人たちとは今日でお別れなのね、といった感じで、カーテンコールでは感極まりました。(笑)
そんで、主役のペーター・成宮君に関しては賛否両論。声もそんなに出てなかったし、元々活舌も悪いので演技の技術といった点ではどこでもあんまりいい書かれ方していないけど、やっぱりこれだけの舞台で「主役」が出来る、ちゃんと「主役」だったという事がすごいんじゃないかなあって私は思いました。千秋楽、感極まって泣いてましたね、がんばりました。
ポール・高橋洋君に関しては、どこでも絶賛されているけど、私の中ではそんなに新しい発見はなかったし、ちゃんと役をこなしていたといった程度の感想。でもすばらしいことはすばらしいのですが、、、(笑)本当マイムはすごかった。今触っている物の質量とかが感じられるんだもん。あ、今どろっとした物を流した、とか。菓子職人だったので一番質感の違う物を扱っていて、それが全部わかるようにのマイムですから。本当、力のある人です。
ニコラス・鈴木さん。いいですねえ、今回かなりの当り役。ワイルドなキプロス人がぴったり。おどけたり、奥さんに怒鳴られてたりなとことかもおちゃめでいいです。ダンスは最高でした。
レーモンド・大石さん。大好きです。(笑)この人も前から大好きな人なのでこのなんていうか、いいかげんっぽい役やらせたら本当にいい。最初の方でまだみんながキャラ立ちしてない時にすでに立ってました。さすがです。
ハンス・勝地君。うまい!この子うまい!さりげなーくうまい。なんで?かうまい。いい感じ。蜷川さんにも「勝地はうまいから」と言わせる10代、これからが楽しみであります。
ディミトリ・須賀君。この子もうまい。なんかいい、存在感ある。このディミトリって役がまたとてもいい役なんだけどとても合っていた。
マンゴリス・月川君。台詞なし(笑)あるんだけど、ちゃんとした台詞はなし。今回、ロミジュリに続き男役。今度は少年っぽい役だったのでかわいかった。よく見てるとこの子も手順が多い。よく覚えられるなあと関心してしまった。
モニック・杉田かおるさん。まあ、普通かな。うまいんだろうけど、本当に可でもなく不可でもなくといった感じ。なんか、、、この人ちゃんと女優すると上品になっちゃう感じがするんだけど、この役っていつものバラエティでの下品さみたいのが出てほしかったんじゃないかなって思ったのは私だけじゃないはず。成宮君とは全く「恋」してませんでしたね。これってかなり問題なのかもしれないけど、まあいいやと思う程度でございます。多分この舞台で足りなかったのはここんとこだったのかもしれません。
最終的には経営者側(マランゴ:品川徹)が労働者側が全く理解出来ずに、終わってしまうというこの時の社会的要素の多い作品ではありました。最後に客席に並ぶ従業員達が、舞台の真ん中にいる品川さんをにらんで終わるという舞台。そのまんまかいと思うのですが、そこが結構役者の眼力で納得させられてしまいました。千秋楽ではかなり切ない目にはなっていましたが。
なんだかねえ、、、4回も観る舞台?って聞かれそうなんですけど、多分そんな舞台ではないと思う(^-^;;;
でもあんなこんなで、ちょっと思い入れがある舞台になってしまったのでした。この気持ちはちょっと説明できないかも。
なんか最近翻訳劇が好きなのか?私。

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