« 劇終/OSHIMAI〜くだんの件<少年王者舘KUDANProject> | Main | ぼくらが非情の大河をくだる時<ク・ナウカ> »

2005.02.16

幻に心もそぞろ狂おしのわれら将門@シアターコクーン

masakado2005/02/15◇シアターコクーン◇花組芝居植本潤さんいた。

 実に!題名とおりに展開するお話。このタイトルがすべてを語っている。だからすばらしい。幻に心もそぞろな、狂おしいほど愛しい将門様。みんながそれぞれの将門への思いがとても悲しく切ない。愛し合った者、あこがれる者、嫉妬、ねたみ、入り混じる中で、狂おしいほど愛する将門、この思いは、今現代に残っている将門伝説に向かっているし、この物語の中で作られていく過程が語られていく。清水邦夫氏の戯曲は、よく聞いているととても説明的、具体的。暗喩のようなものを提示せずに、ずばっと役者に語らせる。それも美しい言葉で。普通だったら、この展開、三郎に伝説のことは語らせないで、観客側が「ああ、自分で自分の伝説を作っていくのかこの将門は」と思わせるのであるが、清水氏作品は、ずばっと語らせる事で、ここの話は「伝説」だけではなく、「われら将門」である周りの人間模様も深く掘り下げていくのである。
 幼馴染であり親友で参謀の三郎。策の中での彼はとても悲しい。彼は彼なりに、将門も桔梗も愛していた。でもどちらにも本当の思いは通じず、まあ、自分で拒否したというともいうかもしれないが、その様がとても悲しい。なのに、狂ってしまった将門には、三郎が求めていたものを与えてくれる何かがあった。彼は、狂ってからが本当を語る、本質が見抜ける人になってしまったのだから、その将門をあそこまでにコミカルに演じるとは思わなかったので、これには面食らった。そうっか、あの将門はそうなのだ、、、この解釈にとても新鮮な物を感じながら、どっぷりとこの世界に浸っていた。
 とにかく、堤真一氏。狂っているコミカルな部分と一瞬の、むしろこっちのほうが狂気?と思わせる正気に戻るシーンの空気の使い方が天下一!すごい、空気を一瞬に変えてしまった。昔はそんなにうまいと思った事ないんだけど、最近のテレビ出演で、コミカルな部分に幅が広がったような気がする。
 段田安則さん。うまい。やっぱりうまい。舞台の人だ。出てくると舞台が締まる。声もなんともいえないところから聞こえてくる声、少しつぶれてしまったのかな?という枯れ具合なんだけど、ちゃんと聞こえてくる。とにかく、三郎、良かった。策士で、冷徹で、でも何かを抱えている様がとてもよかった。
 木村佳乃さん。すばらしい!気高い!この高貴な空気と、美しさ。そうそう出せるもんじゃありません。メイクほとんどなし?眉毛つぶしてもものすごくきれい。台詞も噛まなければ、活舌もよい。思ったとおりの桔梗が目の前にいて、とてもうれしくなりました。
 中島朋子さん。汚れ役担当で、語り部。すごみのある演技、爆発する小宇宙は演技の幅の広さを物語る、、、といいながら、こういう役しか見たことないけど、前回の蜷川さん「グリークス」の時も似たような役だったからなあ。
 でもって高橋洋くん!いいの?こんなんでいいの?こんな特別扱いうけて大丈夫か?一幕全体をものすごい勢いで引っ張っていっていた。本当にこの人はやるべき事をきちんとやる役者。とにかくかっこいい。「どうして俺を愛してくれない!」という叫びが、全身から出ていた。あまりにも舞台の縁に立つもんですから、あぶなくって、お願いだからまた落ちないでね〜とか思いつつ、縁に立ってくれるので表情がものすごく分かるのでだんだん、野心に燃えてきた時のわるーい表情はたまりません。冷静ではいられませんでした。

 本物の石は降ってくるし転がってくる(前列の人危険(笑))中島朋子は微妙な浮き方するし、鉄球は舞う、デモの声聞こえてくるしヘリの音、機関銃かライフル撃つ音も聞こえてくる。雪が降り前4列目までは真っ白になる。
いつもの蜷川さんだ、要素てんこもりの蜷川さんだ楽しい!!

 60年70年の匂いがぷんぷんする。蜷川&清水コンビならあたりまえといえばそうだが、敗走する将門たちが連合赤軍に見えてしまった。鉄球だからやっぱそうなのかな。

|

« 劇終/OSHIMAI〜くだんの件<少年王者舘KUDANProject> | Main | ぼくらが非情の大河をくだる時<ク・ナウカ> »

TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/48364/2961651

Listed below are links to weblogs that reference 幻に心もそぞろ狂おしのわれら将門@シアターコクーン:

» 「幻に心もそぞろ狂おしのわれら将門」@シアターコクーン [のりこWebSite]
千秋楽の前日のチケットを運よく入手できたので、シアターコクーンに観に来ました。舞... [Read More]

Tracked on 2005.02.27 at 10:25 PM

» 幻に心もそぞろ狂おしのわれら将門、を観た。 [ヤサシイケド、ツライヨ。]
渋谷「シアターコクーン」にて、清水邦夫作、蜷川幸雄演出の「幻に心もそぞろ狂おしの [Read More]

Tracked on 2005.03.03 at 10:23 PM

» 木村佳乃 [木村佳乃]
木村佳乃や成宮寛貴らが所属する芸能プロダクション「トップコート」のタレントオーディション「トップコート杯 Try to Top 2005」がスタート [Read More]

Tracked on 2005.03.10 at 08:11 PM

« 劇終/OSHIMAI〜くだんの件<少年王者舘KUDANProject> | Main | ぼくらが非情の大河をくだる時<ク・ナウカ> »